永遠少年症候群

MENU

about

当サイトは趣味の創作サイトです。著作権は特に明記のない限り放棄していません。
リンクはご自由にどうぞ。
画像リンクの際は下記のバナーをご利用ください。

かいてるひと

ぶくま

Search

title

いつもご利用ありがとうございます。
お題一覧

rule

お題使用の際のリンク・報告は任意です。あったら嬉しいです。もしも報告くださる場合は メール Twitterから。
語尾・一人称等、趣旨が変わらない程度の改変はOKです。
セットお題は1題から抜き出して構いません。あいうえお作文からの抜き出しはご遠慮ください。
自作発言とお題の再配布は禁止いたします。
他のお題配布サイト様のお題と混ぜることはおやめください。

FAQ

最近よくある質問です。基本的に自作発言とお題としての再配布をしないでいただけたら大体の場合は大丈夫です。

二次創作や年齢制限ありのものに使用OKですか?
どうぞ。
同人誌/コピー本での使用OKですか?
どうぞ。奥付などにお題使用の旨は明記してください。
その他の媒体での使用OKですか?
お題使用の明記ができるかどうか、を判断基準にしてください。

novel

ファンタジー、恋愛要素、ハッピーエンド多め。
たまに暴力やグロテスクな表現があります。
小説一覧

Series

  • あいうえお題
  • 血飛沫の国のアリス
  • bloody
  • 僕は勇者になりたかった
  • Celia in Realworld.
  • ココにあるもの
  • エトセトラ!
  • G@mE
  • ハッピーエンドはまだ遠い
  • LUCKY GIRL
  • ファンタジー設定で∞のお題
  • 教えられない教師の話
  • Secondary creation
  • 掌編
  • イメージソング
  • 大正哀歌
  • 世界観・人物紹介
  • 他の形式で読む

    ブクログのパブー……電子書籍形式。詩の投稿はこちらのみ。
    小説家になろう……ガラケー、スマホ対応。pdf形式の縦書き対応。

    晴れの学校

     それはたぶん、偶然だった。生徒会室の近く以外で見るなんて珍しい。そう思って、ちょっとテンション上がった。

    「会長!」
    「ん?」
    「!」

     角から姿を現した会長の横には、教育実習生の先生。べったり隙間もないくらいにくっついていた。

    「おぉ」

     よっと気さくに手を上げるのは相変わらず。だけど、その左にいるのは何なの。
     教育実習生の先生。大学生の、女の先生。21歳だっけ。3歳も年上じゃん…。
     先生は、見透かしたような目でこちらを見て、鼻で笑った。
     イラッとする。何でこんなにイライラするんだろう。おかしいよね。私別に彼女じゃないし。友達だし。会長が彼女いるとか考えたこともなかったけど。

    「…何…?」
    「何か言った?」
    「…えっと。…ううん、何でも…」
    「じゃ、ちょっと帰り急ぐから、またな」

     何、楽しそうに話してんの…。何でもう振り返りもしないの…。
     ぺたん…と、思わずその場に座り込んでしまっていた。…え?教育実習生の先生って、まだ1週間しかいないよね。それとも、もう1週間…?
     何も言えなかった…。言いたいことを飲み込むのは私の悪い癖。知ってる。知ってた、けど。
     ごしごしと涙を制服の袖で拭き、立ち上がる。スカートや太股についたごみをはたき落とす。パン、と両手で自分の顔を叩いて気合いを入れる。

    「見てろよ、おばさん…」

     独りごちると、少しだけ笑えてきた。おばさん。直接言ったらどんな反応するんだろう?
     スカートだとか、荷物を置いてきたとか、関係ない。体育の時でも見せたことないくらいのダッシュで駅まで向かう。

    「!」

     いた。いたよ、やったよ私。間に合った。

    「かい、ちょっ」
    「…?」

     生徒会長が振り返る。前髪、走ってるからおでこ出てるよね。どうしよ、何て言おう。

    「ま、って!」

     やった。

    「つか、ま、えた…っ」

     腕を掴んで肩で息をしていると、会長は驚いた顔で立ち尽くしている。

    「どうしたんだ、お前。大丈夫か?水飲むか?」
    「あのっ、私、あんな、あんなおばさんに会長取られんのやだ…っ」
    「おばさん?」
    「私の方が若いしっ、会長が飴隠し持ってるって知ってんの、私だけで、それで!」
    「ま、待て。待て。落ち着け」

     がっとミネラルウォーターのペットボトルを口に突っ込まれる。

    「自分で飲むか?俺が傾けるか?」
    「いぶんでろむ…」

     呼吸を整えて、水を流し込む。あ、なんか気分も落ち着いてきた。ごくごく水を飲んでいる間に、ベンチに連れていかれた。

    「落ち着いた?」
    「うん」
    「それで、どうしたんだ。俺、電車逃したんだけど」
    「あの、彼女さんはどこに…」
    「カノジョなんていねぇよ。わざわざ嫌味言いに来たのか?」
    「あれ」

     じゃあさっきのは。腕絡めてて。それで、ひそひそ楽しそうにお話しちゃって…。

    「せ、セフレ!?不健全だよ会長見そこなったよ!」
    「何の話だ不名誉なこと言うな!自己完結するな!」
    「………。教育実習生の先生と、べたべたくっついて歩いてたよね」
    「…べたべたくっついてたんじゃない、捻挫したって言うから肩貸してたんだ」
    「ねんざ」
    「捻挫」

     あの、なんというか。空気が重い。

    「……あの、じゃあ、帰ります」
    「待てコラ」
    「だって!だって!!!恥ずかしい!」
    「何が!」
    「勝手に勘違いしてっ、わた、私っ、私の会長取られたって思ってっ」

     あ、やばい。なんで。やばい。

    「そりぇでぇっ、とられんの、嫌でぇっ!私の、かいちょ…っ、う、うぇ…かいちょ…うー…」

     ズズッと鼻水が垂れそうになるのをすする。
     涙止まんない。止まんない…っ。かっこ悪…!

    「俺はいつからお前のものになったんだ」
    「わかんないっ、すきなの…」
    「ん」
    「好きぃー…」

     涙が落ちるのが嫌で、天を仰いだ。でも会長がいなくなったら嫌で、掴んだ腕は絶対放さなかった。
     会長がぽんぽんと頭を軽く叩く。

    「じゃあさ、今からちゃんとお前の会長になるから泣きやめよ」
    「私のとかっ、会長はモノじゃないもんー…っ」
    「何なんだよお前」

     くくっと会長が笑う。ぐっと指の腹で涙を拭かれる。いつも動くのが不思議に見える、長い指。

    「泣き顔、ブサイク」
    「な…!」
    「あとね、」
    「ん」
    「俺も、好き」
    「……ん」

     だいすき。

    2013/02/24公開