永遠少年症候群

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嘘を消してまわる金髪のロボット

 私の隣のクラスには、ハーフの子がいます。
 色白で、金髪がとっても似合う男の子です。
 渉汰は少し苦手みたいだし、私が他の男の子と必要以上に話すのを嫌がるけど、それでも少しでいいからおしゃべりしてみたい、なんて思ってます。
 だって彼、絵本から抜け出してきた王子様みたい!

「それで、おしゃべりしてどうするんだ?」
「え? あわよくば白タイツにかぼちゃパンツを……」
「篠崎のためにもやめておけ!!」

 もー、渉汰はわかってないんだから。
 篠崎くん、絶対に白馬が似合うのに!!!

「呼んだ?」
「あ! 篠崎くんっ、あのね、もごっ」

 渉汰に口をふさがれて、篠崎くんが変な目で見てます。

「何でもない」
「いやだーっ、白タイツー!」

 篠崎くんは首をかしげていました。

「もう、邪魔しないでよね! もしかしたら穿いてくれるかもしれないじゃん!」
「穿くわけねぇだろ。どんだけ心広いやつだよ!!」

 そういえば、と渉汰は言いました。

「篠崎ってな、ロボットらしいぞ。今までの超能力者達とはタチが違うから近付くのは止めといた方がいいぞ」
「なんでさっき話すチャンスがあるとき言ってくれなかったの!」
「え?」
「ロボットだなんて! 人工知能ってやつかな!?」
「笑美、俺がさっきなんて言ったか聞いてた?」
「質が違うから近付かない方がいい、でしょ? そんなバカなことってないよ!」
「『俺達みたいなやつ』を捕まえるために派遣されてきたロボットかも知れねぇだろ?」
「それならなおさらだよ! 渉汰はいい人だって教えなきゃ!」

 思い立ったらいてもたってもいられなくて、私はもう一度篠崎くんの元へ向かいました。

「篠崎くんっ!」
「何……?」
「篠崎くんってさ、ロボットってほんと!?」
「…………それ、って…………」

 篠崎くんは一瞬固まりましたが、ニヤリと意味深長に笑いました。

「何で知ってんの?」
「やっぱり! ねぇねぇ、人工知能なの!? あとね、もう一つ聞きたいんだけど超能力者を捕まえるために派遣されてきたんじゃないよね!?」
「うん、違うよ。オレ、……嘘を消してまわるロボットなんだ」
「よかったぁ。間違うとこだったよー。用意してた白タイツとかぼちゃパンツは渉汰に穿いてもらうね!」
「白タイツ……?」
「用意してたのかよ」
「あ、渉汰。遅かったね! 篠崎くんは悪いロボットじゃなかったよ!」
「そうか。よかったな」

 渉汰は呆れながらインスタントカメラのシャッターを切りました。超能力者や宇宙人やロボットを見つけたら並んで撮ってもらいます。もちろん最初は渉汰と並んで自分でシャッターを押しました。

「篠崎くんは今までどんな嘘を消してきたの?」
「んっと、それは企業秘密で言えないんだ」
「そうなんだー。残念だなぁ。あ、でも渉汰、仲間いっぱい増えつつあるね!」
「仲間……?」
「……企業秘密だ。帰るぞ、笑美。またな、篠崎」
「うん……」

Secret Conversation――ロボットと超能力者――

「悪いな、変な嘘吐かせちまって」
「別に? 『ロボット』なのは嘘じゃないし」

 篠崎は感情をあまり表に出さず、やることなすこと完璧なので、ロボットと呼ばれる。俺が言ったのは嘘じゃない。けれどそれは、褒め言葉でもなんでもない、陰口だ。陰口を言う方じゃないが知っていると思っていたし、知らなかったとしてもまさか笑美がストレートにロボットなのかと聞くとは思わなかった。

「知ってたのか」
「まぁね。鴨川さんは悪意もなかったし、合わせてあげるのもいいかなぁと思って。現に『僕がロボットじゃない』っていう鴨川さんにとっての嘘は消したわけだし」
「ありがとな」
「いいんだよ。君も、鴨川さんに救われた一人なんだね」
「一人目、だよ」

 訂正すると篠崎はニヤリと笑った。

「オレはね、堀田。彼女にロボットと呼ばれるのは、悪くないと思うんだよ」
「……?」
「王子様でもいいけど」
「…………笑美はロボットより超能力者の方が好きなんだぜ?」
「へぇ、でも、本当に?」

――嘘を消してまわる金髪のロボット、了
お題元:水性アポロ